• facebook
  • ENGLISH
  • ニュース?イベント

    プレスリリース

    ハイスループット実験と觸媒インフォマティクスが実現するゼロからの觸媒設計

    logo_jaist.pnglogo_hokkaidou.png logo_JST.jpg 北陸先端科學技術大學院大學
    北海道大學
    科學技術振興機構

    ハイスループット実験と觸媒インフォマティクスが実現する
    ゼロからの觸媒設計

    ポイント

    • 物質空間からの無作為なサンプリング
    • ハイスループット実験による觸媒ビッグデータの取得
    • バイアスを含まないデータからの觸媒設計指針の抽出
     北陸先端科學技術大學院大學(學長?寺野稔、石川県能美市)、先端科學技術研究科物質化學領域谷池俊明教授らは北海道大學(総長?寳金清博、北海道札幌市)の髙橋啓介準教授らと共同で、ハイスループット実験と觸媒インフォマティクスを駆使して前知見に依らないゼロからの觸媒設計を実現する道を示した。
     ある化合物を別の化合物へと変換する化學反応は、式上では単純に見えても多くの素反応によって構成されているケースが多い。化學反応の制御とは、これらの素反応を同時に制御することであり、複數の有効成分を組み合わせる多元的な觸媒の設計が鍵を握っている。しかし、組み合わせ効果の予測は非常に難しく、トライアンドエラーを通して偶発的に発見した組み合わせを段階的に発展させる経験的な方法論が、固體觸媒の研究開発における常套手段であった。
     谷池教授らは、日に4,000點もの觸媒データを自動取得可能なハイスループット実験裝置*1 と觸媒インフォマティクスを用いて、前知見に依らないゼロからの觸媒設計を実現した。具體的には、36,540通りもの組み合わせ(=觸媒)を含む広大な物質空間から300通りの組み合わせを無作為に抽出し、これらのメタンの酸化カップリング反応(OCM)*2 における性能をハイスループット実験により評価することで、前知見や作業仮説などのバイアスを含まない觸媒ビッグデータを取得した。このデータを機械學習によって分析することで、觸媒の設計指針をモデル化し、高性能觸媒を80%の精度で予測することに成功した(試験した80%の觸媒が高性能と見做し得る収率を示した)。
     本研究が見出した高性能觸媒の大半は、OCMに関する過去40年の研究開発史に照らして未知とみなされる組み合わせであった。ハイスループット実験と觸媒インフォマティクスは、広大な物質空間を現実的な時間単位で効率的に探索する強力な手段である。本研究が用いた方法論は多くの材料分野に適用可能であり、前知見に縛られない物質探索は予期せぬ発見を多く生み出すだろう。

    pr20210127-1.png前知見を必要としない新規觸媒探索スキーム

     本成果は、2021年1月22日(米國東部標準時間)にACS Publications発行「ACS Catalysis」のオンライン版に掲載された。なお、本研究は、科學技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業CREST研究領域「多様な天然炭素資源の活用に資する革新的觸媒と創出技術」(研究総括:上田渉)における「実験?計算?データ科學の統合によるメタン変換觸媒の探索?発見と反応機構の解明?制御」(研究代表者:髙橋啓介)の支援を受けて行われた。

    【論文情報】

    掲載誌 ACS Catalysis (ACS Publications)
    論文題目 Learning Catalyst Design Based on Bias-Free Data Set for Oxidative Coupling of Methane
    著者 Thanh Nhat Nguyen, Sunao Nakanowatari, Thuy Phuong Nhat Tran, Ashutosh Thakur, Lauren Takahashi, Keisuke Takahashi, Toshiaki Taniike
    掲載日 2021年1月22日付(米國東部標準時間)にオンライン版に掲載
    DOI 10.1021/acscatal.0c04629

    【用語解説】
    *1 ハイスループット実験裝置
    実験の回転速度をスループットと呼ぶ。ハイスループット実験裝置とは高度な並列化や自動化によってスループットを劇的に改善する裝置を指す。
    *2 メタンの酸化カップリング反応(OCM)
    普遍的に存在するメタンはそのままでは化學的な有用性が低く、これを觸媒によって別の有用化合物へ変換することが望ましい。メタンの酸化的カップリングとは、メタンと酸素分子の反応を通してエタンやエチレンを直接合成する高難度反応である。

    令和3年1月27日

    PAGETOP
    国产在热线精品视频99